2007年06月19日

毛取物語―新章2―

前編はこちらから。

本慎さん文さんの、黒いチビッココンビが、このは源氏めがけて走ってきました。
一連の事態に、まったくついていけないこのは源氏。
もはやこれまでかと思った瞬間、一陣の風と共に飛来する物体が!!

「持ってこ〜い!」
どこかからの掛け声に、慎さん文さん、眼前を飛来していくフリスビーを追って方向転換です。

「これっ!慎さん文さんっ」
ご老公の呼び声も虚しく、慎さん文さん、フリスビーしかみえていないようです。。
誰もがあっけに取られていると、
「フッ……つまらぬものを蹴ってしまった。。」
声を追って見上げた先に、やたらと凛々しい若者が可憐な少女とこちらを伺っていました。

「おぬし、何者じゃ」
「ボクはサッカー界の貴公子トト、負け犬イジメは見過ごせないな」
「にいたん、なにやら誤解があるようにみえましゅ」
「なんだって?」
「ええと、、僕は帰ってこない村娘さんたちを探しに来たものなんですが……」
「・・・ではあやしい者ではないと?これは失礼いたしました。私は越後のちりめんワンコの隠居でございます」
そこへフリスビーを持って戻ってきた、慎さん文さん。
「娘さんたちは遠出が日課で、今日はつい長居してしまっただけのようですよ」
「私たちが村までお送りしましょう」
こうしてご老公一行は村娘を伴って世直し旅に戻って行きました。

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本さて、魔物退治もしないであっさり任を解かれたこのは源氏。まずは助けてもらったお礼を言わねばと、
「ぼくはこのは源氏といいます。なにやら危ないところを救っていただきまして、ありがとう、、」
「ということは、あなたりょく壺おねえちゃまの義理の息子ね」
「りょく壺様をご存知で?」
「ええ、あたちはルル。りょく壺おねえちゃまが帝の后になどならなければ、
今頃世界は、あたちたちの美しさの前にひれ伏していたはずよ」
「ハハッ、ルルは十分その魅力を振り撒いているよ」
貴公子トト、どうやらシスコンのようです。
「それよりも気になることがあるんです。ここに住まうというチビッコ族はどこにいるのでしょう?」
「さあ、ボクらも今来たばかりで。。」

するとなにやら生暖かい風が吹いてきて、辺りがざわめきました。

「そなたら、ここをチビッコ谷としっての狼藉か」
恐る恐る声の方をみると、白と黒のお耳が大変りっぱな小さいワンコが、岩の上から3匹を見下ろしていました。
このは源氏、谷の入口でリンレイ姉弟から受けた助言を思いだしました。
そう、謙虚な態度です!
「ココロならずも大変失礼いたしました。私は通りすがりのもの、どうかこのままお見逃しください」
宮中仕込みの低姿勢、立派な自己防衛セリフです。
「・・・妾はチョビ。このチビッコ谷のプリンセスじゃ。去るというなら追わぬが、通行料は置いてゆくのじゃ」
さて困った3匹です。
金品の持ち合わせもなく、オヤツも携帯していませんでした。
あるものといえば、、
「にいたん、そのサッカーボールをあげちゃってくだしゃい」
「いやだ!これはボクの命だよ!!」
「何いってるんですか、ボールの1つや2つ。。」
「なんだい、君まで!いいかい、このボールはね、、」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...
突然の地響きです!
敬意を失った態度が、ついにプリンセスの逆鱗に触れてしまいました。
愛らしいお顔はそのままなのに、立派なお耳が、、シフトチェンジ!!

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「去るのじゃ!!」

突風が吹きすさび、3匹はびゅうーーっと飛ばされていきました。。

3匹が気付くと、そこは港でした。
なんだか都合よく目的地に近付いているようです。
「ボクたちはここから世界中を周ることにするよ」
「あたちは美しさ、にいたんはサッカーでね」
トトルル兄妹に手を振って、このは源氏は、はな式部の故郷へと出港します。

本潮風にあたりながら波間を眺めていると、グルグルと世界が回りました。
船酔いです。
甲板でケロケロしているこのは源氏に、セレブな香りの漂うワンコが近付いてきました。
「よろしければこれを。。」
差し出されたハンカチには、ジャスミンの香り。。
「私はジャス。ママ離れの練習中なの」
「ママさんは港に?」
「いえ、船室にいるわ」
「・・・」

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船酔いが落ち着いてきた頃、再びジャス嬢がお茶のお誘いにやってきました。
「この船には、いま流行りのなんとか喫茶があるそうなの、ご一緒しましょ」
せっかくのお誘いです、案内に添って扉を開けるとそこは、、
「お帰りなさいませ!お嬢様」
白のボディカラーに燕尾服のきまってるワンコが出迎えてくれました。
「わたくしは、執事のペル氏でございます」
「え、ペルシ君だよね?」
「いえ、ペル氏でございます」

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とまどいつつもアフタヌーンティーなどいただいていると、先ほどのペル氏がやってきました。
「失礼いたします。あちらのお嬢様がたが、記念撮影をご一緒にと申されておいでです」
みると、白黒茶のワンコが見事なポーズでお座りをしていました。
「ぜひご一緒にお写真を」
そう微笑みかけてくるのは、茶のくるみ嬢。
「私たち、旅の記念にはかならず集合写真を撮ってますの」
白のあずき嬢が見せてくれたアルバムは、どれも見事なまでの集合写真です。
「そのあとで一緒に甲板でランしましょ♪」
元気に答えたのは、黒のなっつ嬢。
「ではわたくしがシャッターを、、」

さあどうするシャイボーイ&シャイガール!?

3姉妹のお友達アルバムに、初の個別写真が飾られました。。

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さて、山を越え谷を越え、海まで渡って、いよいよ上陸です!!

・・・ということで終わらなかったので、前中後編となってしまいましたあせあせ(飛び散る汗)
21日完結ですダッシュ(走り出すさま)

                    後編>>


「お名前のみならず、勝手にお写真を拝借いたしましたことと、配役についてのご不満は、
どうか寛大なお心でお許しくださいませ<(_ _)>」筆者

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posted by このっち at 19:58| ☔| Comment(12) | 挿話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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