2007年06月17日

毛取物語―新章―

(注:古典「源氏物語」その他いろいろとはなんら関係ございません)


【いづれの御時にか、ニャンコ、ワンコあまたさぶらひたまひける中に、
 大変猫らしくないのだが、すぐれてご寵愛を受けるものありけり……】

本時は流れて、、

年頃になったこのは源氏の君は、親友のクーマ中将と語らっておりました。
「話しの流れでは、君の妹姫が僕のお嫁さんになるんだよね?クーマ中将」
「うーん、、でもニコの上は君の手に余ると思うよ。。僕だって毎日オモチャを奪われてるんだからさ。。」
「そうなんだ、、いったい僕の理想の姫君はどこにいるんだろう。。」
「君の理想は、白くってフワフワ毛の抜ける、あのりょく壺さまだよね。
でもりょく壺さまは、帝の后。。しょせん叶わぬ恋なんだね」

6.17(ab).JPG6.17(ac).JPG

「では私の故郷にいってごらんなさい、きっと理想の方に出会えてよ」
当代一を競うシャイボーイたちの語らいを聞き、みかねてアドバイスをくれたのは、宮中の華、
その名もはな式部。
「はな式部殿、あなたの故郷とは何処にあるのですか?」
りょく壺と同じカラーのはな式部には、割と近寄れるこのは源氏。。
「そうね〜、、山を越え谷を越えて、海も渡っちゃったりするかしら。。」

hana.JPG

途方もないような話でしたが、藁にもすがりたいこのは源氏。
なぜなら帝が懲りもせず、ワンコの姫やら公達と遊ばせようとするからです。
ニャンコになりたいぐらいの猫好き、このは源氏。理想の姫に出会うため、
まずは山を越えることにしました。

本慣れない山道を進んで行くと、1軒の庵を発見。
少し休ませてもらおうと、垣根から様子を伺いました。

「こっちにいらっしゃい、姫」
「・・・オヤツもなしに行けないわ」
「キレイな毛は、ブラッシングなしでは維持出来ないのよっ」
「だからそれがイヤなのに。。」

気ままに振舞うあどけない姫と庵主のやりとりに、このは源氏ひらめきました。
(このコちょっと猫っぽい。もしかしたら仲良くなれるかも)

「姫、今日からあなたを紫、、じゃなかった、パルの上とお呼びましょう」
「あなた、犬らしくなくてイイ感じね。でもその格好はいただけないわ」
なんとこのは源氏。宮中でもないのに、帝の命により着せられていた、ラブリーワンピのままでした。
「では、男らしい姿でいつかお迎えにまいります。待っていてくださいね」
「……」

着替えを用意していなかったのでは、仕方ありませんが、
女心と秋の空、、この先に待ちうける運命など知る由もなく、
旅は進みます。

p.JPG

本険しい山道が終わる頃、麓に村がみえてきました。
なにやらワンだかりが出来ていますが、基本的にワンコが苦手なこのは源氏、近付けません。
さりげなくスルーしようとしたところ、1匹の若者が飛び出してきました。
「へい彼女!オイラ、もかっていうんだけど、追いかけっこしない?」
どうやらワンピ姿をみて、女のコと間違えたようです(汗)
「いえ、僕はちょっと、、それより何かあったのですか?」
「ああ、この先の谷に遊びにいった村娘たちが、なかなか帰ってこないんで、みんな心配してるんだよ」
「それは気がかりですね」
すると、ワンだかりの中からこちらを指差すものが。
「みて、勇者さまよ!!困っている私たちを助けに来てくださったのだわ!!」

・・・通りすがりの者に与えられる役どころといえば、勇者か災厄のヌレギヌというのが、
物語のセオリーです。

「勇者さま、どうか娘たちをお救いください」
村長スバルの懇願に負けて、このは源氏は谷へ向かうことに。

subaru.JPG

案内役は先ほどの若者もかです。

.JPG

「しかし君は女のコにしかみえないね。しかも乗りがワルイよ」
どうやらこのは源氏のテンションの低さに、退屈してきた様子です。
「宮中ではこれでも良かったんだよ。。それよりも帰ってこないって、魔物でもいるのかい?」
・・・勇者VS魔物。古典劇がRPGの様相を呈してきました。
「さあ、、でもあの谷にはチビッコ族しかいないはずなんだけどなあ。」
「チビッコ族?」
「あ、見えてきたよ、あれがチビッコ谷だよ!じゃ、僕は散歩の時間だから帰るね♪」
「え、ちょっと!」

・・・取り残されたこのは源氏。しかしろんりーを信条としているので、へっちゃらです。

本谷の入口に姉弟らしき2匹が待ち構えていました。

「あの、帰ってこない村娘さんたちを探しにきたものですが、、」
どこまでも勇者らしくなれない、シャイボーイです。。
「ここはチビッコ谷よ。愛らしく小さくなければ入れないわ」
姉のリンが凛と言い渡しました。
「でもお姉ちゃん、、この方、すごく困ってみえるよ」
姉のうしろから言ったのは、弟のレイ。
「それに着ているものが、宮中の衣装のようだし、恩を売っとくってのはどうかな」
「それもそうね。じゃ、特別に通してあげるけど、くれぐれも謙虚な態度を取ることね」

よく判りませんが、リンレイ姉弟に見送られらながら谷へ。

??????????C????aaa.JPG

するとなにやら楽しげな声が聞こえてきます。
近付くと、小さいコたちが集まって遊んでいるようです。
この中に、帰ってこないという村娘たちがいるかもしれません。
このは源氏、なけなしの勇気をかき集め、1歩を踏み出そうとした、その時!!

「ワワワワワワワワワワン!!杏姉ちゃん、あやしいヤツよ」
1匹のワンコに目敏くみつかってしまいました。
「でかしたわ李!ご老公さま、助けてください!」

kurosuke.JPG

杏姉ちゃんと呼ばれた黒いワンコが振り返った先に、
見るからに旅のご隠居といった風情のワンコが、黒い2匹をお供に立っていました。
「慎さん、文さん、こらしめておやんなさい!」

.JPG6,17(aa).JPG?T????.JPG

・・・いきなり江戸時代?節操ない展開だわなーなんてつっこみは、とりあえずそこらに置いときまして。。

このは源氏、あやうしです!!

To be continued...   

                 中編>>  後編>>

「お名前のみならず、勝手にお写真を拝借いたしましたことと、配役についてのご不満は、
どうか寛大なお心でお許しくださいませ<(_ _)>」筆者

≪1周年だよ☆企画週間≫プレゼントクイズはこちらから(←☆をクリック)



posted by このっち at 21:34| ☔| Comment(9) | 挿話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。